野菜に秘められたパワー「ファイトケミカル」のここがすごい！

人間にも活性酸素を無毒化する抗酸化システムが備わっています。スカベンジャーという抗酸化物質を体内でつくり出し活性酸素を無害なものに処理しているのですが、加齢によってスカベンジャーをつくる能力が低下していき、処理しきれなかった活性酸素が体内に溜まっていくと、より毒性の強い活性酸素に変化していきます。

活性酸素にはいくつかの種類があり、代表的なものにヒドロキシルラジカルという他の活性酸素の数十倍もの毒性をもっているものがあります。この活性酸素は人間自らの力で無毒化することができません。唯一無毒化できるのがファイトケミカルです。

さまざまな野菜に含まれるファイトケミカルですが、特に重要視されるのが「にんにく、キャベツ、大豆、生姜、人参、セロリ、玉ねぎ、緑茶、ターメリック、玄米、オレンジ、レモン、ブドウの果皮、トマト、ナス、ピーマン、ブロッコリー、カリフラワー、ジャガイモ、大根、ニラ、長ネギ」など。

ここに挙げていないものもたくさんありますが、にんにくやニラのように香りが強かったり苦味、辛味、渋味などがあるものや色が濃い(完熟している)ものにファイトケミカルが含まれているので、意識してバランスよく摂るといいでしょう。
 

食品添加物の摂取、排気ガスなどの大気汚染、紫外線、ストレス、パソコンやスマホの電磁波、肥満、喫煙といったことでも活性酸素は大量に発生します。これらをデトックスするためには肝臓にある解毒酵素を増やし、有害物質を無毒化して体外に排泄する必要かあります。

解毒酵素の働きを強くしてくれる野菜は緑色のものが多く、「ブロッコリーのスルフォラファン、セロリのセダノライド、キャベツのイソチオシアネート、大根のアリルイソチオシアネート、わさびのワサビイソチオシアネート、にんにくのジアリルトリスルフィッド」といったものがあります。

ファイトケミカルを含む野菜を食べるだけでも摂取できますが、同じ食べるのならより効率よく食べたいですよね。例えば、ブドウのポリフェノールは皮や種に多く含まれているので、種や皮も丸ごと潰して醸造される赤ワインを飲むのが効果的。白ワインは皮と種を取り除いて醸造されるのでポリフェノールを摂りたいなら赤ワインがおすすめです。

バナナは完熟するとシュガースポットという黒い斑点が出てきて甘みが増し栄養価も高くなります。アンチエイジングにも効果的なのでバナナを食べるならシュガースポットが出てからがおすすめ。一度に食べきれない完熟したバナナは冷凍して保存します。

このうようにファイトケミカルは皮や完熟したものに多く含まれるので、できるだけ皮ごと調理するのが望ましいでしょう。ピーマンやパプリカのように種も食べられるものは種ごと調理します。