2025年の主要卸売市場への柿の入荷は10月中旬が最多で、10月の入荷の89.1%は渋がき(脱渋を含む)でした。甘がきが上回るのは11月中旬から。家庭の購入量は10〜11月に集中し、2025年産の収穫量は1973年産の約半分です。農林水産省・総務省の統計で数えました。
- 甘がきと渋がきは品種で決まる 店頭の渋がきは渋を抜いたもの
- 2025年の入荷は10月中旬が最多 10月は89.1%が渋がき
- 家庭で柿を買う量は10〜11月で12か月の合計の7割超 2025年は11月が最多
- 柿の収穫量は1973年産の約半分 最少は2024年産の16.7万t
- 和歌山県・奈良県は1973年産より多い 山形県は14.9%に
- よくある質問
- まとめ 10月は渋がき、11月中旬からは甘がきが多い
目次
スーパーの果物売り場に柿が並び始める季節です。店頭の柿には、もともと甘い「甘がき」と、渋を抜いてから出荷される「渋がき」があります。どちらがいつ多く出回るのかを、農林水産省の卸売市場の統計で旬ごとに数えました。
この記事で扱う内容です。
・甘がきと渋がきの違い 統計ではどう分けているか
・2025年の市場への入荷 山の時期と、甘がき・渋がきが入れ替わる時期
・家庭で柿を買う量が多い月と都市
・収穫量と産地の移り変わり(1973年産〜2025年産)
甘がき・渋がきの割合や倍率は、国の統計の数値をもとに編集部で計算しています。
この記事で扱う内容です。
・甘がきと渋がきの違い 統計ではどう分けているか
・2025年の市場への入荷 山の時期と、甘がき・渋がきが入れ替わる時期
・家庭で柿を買う量が多い月と都市
・収穫量と産地の移り変わり(1973年産〜2025年産)
甘がき・渋がきの割合や倍率は、国の統計の数値をもとに編集部で計算しています。
甘がきと渋がきは品種で決まる 店頭の渋がきは渋を抜いたもの
農研機構の解説では、秋に果実が色づいて熟した時期に渋みが無いのが甘ガキ、渋くて食べられないのが渋ガキで、「甘渋の性質は品種により決まっています」と説明されています。同じ解説(平成19年発行の農林水産省の資料をもとにした栽培面積の説明)では、多く栽培されている品種として、甘ガキは「富有」「次郎」「西村早生」「伊豆」、渋ガキは「平核無(ひらたねなし)」「刀根早生」が挙げられています。
渋ガキは、炭酸ガスやエチルアルコールで処理すると渋みがなくなります。農研機構は、小売店で販売されている「平核無」などの渋ガキ品種の果実は、この処理がされていて渋みがない、としています。農林水産省の広報誌でも、平核無は「渋抜きをして出荷する」品種として紹介されています。
統計の上でも、甘がきと渋がきは分けて数えられています。農林水産省の青果物卸売市場調査は、かきを「甘がき」と「渋がき(脱渋を含む。)」に分けて集計しています。文部科学省の食品成分データベースでも、「甘がき」「渋抜きがき」「干しがき」が別の食品として載っています。
渋ガキは、炭酸ガスやエチルアルコールで処理すると渋みがなくなります。農研機構は、小売店で販売されている「平核無」などの渋ガキ品種の果実は、この処理がされていて渋みがない、としています。農林水産省の広報誌でも、平核無は「渋抜きをして出荷する」品種として紹介されています。
統計の上でも、甘がきと渋がきは分けて数えられています。農林水産省の青果物卸売市場調査は、かきを「甘がき」と「渋がき(脱渋を含む。)」に分けて集計しています。文部科学省の食品成分データベースでも、「甘がき」「渋抜きがき」「干しがき」が別の食品として載っています。
- 参照:農研機構「今が旬の『カキ』のお話」
2025年の入荷は10月中旬が最多 10月は89.1%が渋がき
農林水産省の「青果物卸売市場調査(旬別結果)」は、全国14都市の主要な卸売市場(19市場)に入った青果物の量を、月の上旬・中旬・下旬ごとに公表しています。このうちかきについて、2025年9〜12月の12の旬の入荷量と、甘がき・渋がきのうち多いほうの量を書き出しました。
・9月上旬 140t(うち渋がき131t)
・9月中旬 1,615t(うち渋がき1,493t)
・9月下旬 3,461t(うち渋がき3,169t)
・10月上旬 5,824t(うち渋がき5,381t)
・10月中旬 7,587t(最多・うち渋がき6,936t)
・10月下旬 6,205t(うち渋がき5,157t)
・11月上旬 6,456t(うち渋がき4,782t)
・11月中旬 4,513t(うち甘がき2,461t)
・11月下旬 3,702t(うち甘がき2,587t)
・12月上旬 3,052t(うち甘がき2,877t)
・12月中旬 1,519t(うち甘がき1,345t)
・12月下旬 767t(うち甘がき663t)
入荷が最も多かった10月中旬は、その91.4%が渋がきでした。10月の3つの旬を合わせると、入荷の89.1%が渋がきです。2023年・2024年も、最も多い旬は10月中旬で、10月の渋がきの割合は2023年86.0%・2024年89.1%でした。
9〜12月の4か月で、2025年1年間の入荷の97.8%を占めます。1〜2月にも少し入荷があり、その多くは甘がきです。
※卸売数量は、せり・入札・相対で取引された数量です(転送品を含む)。卸売市場を通さずに売られる柿は含みません。甘がきと渋がきの数量は四捨五入の関係で、合計と一致しない旬があります。
・9月上旬 140t(うち渋がき131t)
・9月中旬 1,615t(うち渋がき1,493t)
・9月下旬 3,461t(うち渋がき3,169t)
・10月上旬 5,824t(うち渋がき5,381t)
・10月中旬 7,587t(最多・うち渋がき6,936t)
・10月下旬 6,205t(うち渋がき5,157t)
・11月上旬 6,456t(うち渋がき4,782t)
・11月中旬 4,513t(うち甘がき2,461t)
・11月下旬 3,702t(うち甘がき2,587t)
・12月上旬 3,052t(うち甘がき2,877t)
・12月中旬 1,519t(うち甘がき1,345t)
・12月下旬 767t(うち甘がき663t)
入荷が最も多かった10月中旬は、その91.4%が渋がきでした。10月の3つの旬を合わせると、入荷の89.1%が渋がきです。2023年・2024年も、最も多い旬は10月中旬で、10月の渋がきの割合は2023年86.0%・2024年89.1%でした。
9〜12月の4か月で、2025年1年間の入荷の97.8%を占めます。1〜2月にも少し入荷があり、その多くは甘がきです。
※卸売数量は、せり・入札・相対で取引された数量です(転送品を含む)。卸売市場を通さずに売られる柿は含みません。甘がきと渋がきの数量は四捨五入の関係で、合計と一致しない旬があります。
甘がきが渋がきを上回るのは11月中旬から 12月は91.5%が甘がき
2025年は、11月上旬までは渋がきのほうが多く、11月中旬に甘がきが渋がきを上回りました(甘がき2,461t・渋がき2,052t)。甘がきの入荷が最も多いのは12月上旬の2,877tで、12月の3つの旬では入荷の91.5%が甘がきです。
甘がきが上回った旬は、2023年は11月中旬、2024年は11月下旬でした(2024年の11月中旬は甘がき2,113t・渋がき2,118tでほぼ同じ)。
1年を通すと、2025年の入荷の67.1%が渋がきでした。
品種ごとの出回りの例として、農林水産省の広報誌では、刀根早生(渋がき)は「9月下旬から10月中旬が旬」、平核無(渋がき)は「10月中旬から11月に出回る」、富有(甘がき)は「出荷は10月下旬ごろから」と紹介されています。ただし、統計の甘がき・渋がきは品種別ではないため、どの品種がどれだけ入ったかまではわかりません。
甘がきが上回った旬は、2023年は11月中旬、2024年は11月下旬でした(2024年の11月中旬は甘がき2,113t・渋がき2,118tでほぼ同じ)。
1年を通すと、2025年の入荷の67.1%が渋がきでした。
品種ごとの出回りの例として、農林水産省の広報誌では、刀根早生(渋がき)は「9月下旬から10月中旬が旬」、平核無(渋がき)は「10月中旬から11月に出回る」、富有(甘がき)は「出荷は10月下旬ごろから」と紹介されています。ただし、統計の甘がき・渋がきは品種別ではないため、どの品種がどれだけ入ったかまではわかりません。
家庭で柿を買う量は10〜11月で12か月の合計の7割超 2025年は11月が最多
総務省の「家計調査」(二人以上の世帯)から、1世帯あたりの柿の購入量を月ごとに並べました。
・2025年9月 94g
・2025年10月 653g
・2025年11月 736g(最多)
・2025年12月 343g
10月と11月の2か月で、12か月の合計(1,880g)の73.9%を占めます。2023年は75.9%、2024年は73.6%で、どの年も7割を超えています。4〜7月はどの年も0gでした。
最も多い月は、2023年は10月(753g。11月は744g)、2024年と2025年は11月です。2025年10月に柿を買った世帯は39.0%、11月は36.3%でした。
※家計調査の値は二人以上の世帯の1世帯あたりで、単身の世帯は含みません。12か月の合計は月ごとの値を足したもので、年報の年間の値とは一致しないことがあります。
・2025年9月 94g
・2025年10月 653g
・2025年11月 736g(最多)
・2025年12月 343g
10月と11月の2か月で、12か月の合計(1,880g)の73.9%を占めます。2023年は75.9%、2024年は73.6%で、どの年も7割を超えています。4〜7月はどの年も0gでした。
最も多い月は、2023年は10月(753g。11月は744g)、2024年と2025年は11月です。2025年10月に柿を買った世帯は39.0%、11月は36.3%でした。
※家計調査の値は二人以上の世帯の1世帯あたりで、単身の世帯は含みません。12か月の合計は月ごとの値を足したもので、年報の年間の値とは一致しないことがあります。
柿を買う量が多いのは岐阜市・奈良市 全国平均の2倍超
総務省統計局の家計調査の都市別ランキング(都道府県庁所在市と政令指定都市の52市・2023〜2025年の平均)で、柿の年間購入量を見ると次のとおりです。
・1位 岐阜市 5,122g
・2位 奈良市 4,031g
・3位 京都市 2,930g
・4位 堺市 2,889g
・5位 高松市 2,847g
・全国平均 1,826g
1位の岐阜市は全国平均の約2.8倍、2位の奈良市は約2.2倍です。
・1位 岐阜市 5,122g
・2位 奈良市 4,031g
・3位 京都市 2,930g
・4位 堺市 2,889g
・5位 高松市 2,847g
・全国平均 1,826g
1位の岐阜市は全国平均の約2.8倍、2位の奈良市は約2.2倍です。
柿の収穫量は1973年産の約半分 最少は2024年産の16.7万t
2025年産の柿の収穫量は、農林水産省の作物統計の概数で179,600t。前年産を7%上回りました。農林水産省は、10a当たり収量が前年産を10%上回った理由を「前年産に比べてカメムシによる被害が減少したこと等による」と説明しています。
長期累年統計が始まる1973年産は347,200tで、2025年産までの53年で最も多い年です。2025年産はその51.7%。前年の2024年産は167,300tで、この53年で最も少ない量でした(1973年産の48.2%)。
・1973年産 34.7万t(1973年産の100.0%)
・1980年産 26.5万t(1973年産の76.4%)
・1985年産 29.0万t(1973年産の83.4%)
・1990年産 28.6万t(1973年産の82.3%)
・1995年産 25.4万t(1973年産の73.2%)
・2000年産 27.9万t(1973年産の80.2%)
・2005年産 28.6万t(1973年産の82.3%)
・2010年産 18.9万t(1973年産の54.6%)
・2015年産 24.2万t(1973年産の69.7%)
・2020年産 19.3万t(1973年産の55.6%)
・2024年産 16.7万t(1973年産の48.2%)
・2025年産 18.0万t(1973年産の51.7%)
実をならせた畑の面積(結果樹面積)は、1973年産の30,600haから2025年産は16,800haへ、54.9%になっています。
長期累年統計が始まる1973年産は347,200tで、2025年産までの53年で最も多い年です。2025年産はその51.7%。前年の2024年産は167,300tで、この53年で最も少ない量でした(1973年産の48.2%)。
・1973年産 34.7万t(1973年産の100.0%)
・1980年産 26.5万t(1973年産の76.4%)
・1985年産 29.0万t(1973年産の83.4%)
・1990年産 28.6万t(1973年産の82.3%)
・1995年産 25.4万t(1973年産の73.2%)
・2000年産 27.9万t(1973年産の80.2%)
・2005年産 28.6万t(1973年産の82.3%)
・2010年産 18.9万t(1973年産の54.6%)
・2015年産 24.2万t(1973年産の69.7%)
・2020年産 19.3万t(1973年産の55.6%)
・2024年産 16.7万t(1973年産の48.2%)
・2025年産 18.0万t(1973年産の51.7%)
実をならせた畑の面積(結果樹面積)は、1973年産の30,600haから2025年産は16,800haへ、54.9%になっています。
和歌山県・奈良県は1973年産より多い 山形県は14.9%に
2025年産で収穫量の多い県は、和歌山県(22%)、奈良県(14%)、福岡県(8%)、岐阜県・愛知県(各6%)の順で、上位5県を合わせると全国の約6割になります。
2025年産の上位6県と、1973年産の1位の山形県を、1973年産の収穫量と並べました(右端は1973年産を100としたときの2025年産の割合)。
・和歌山県 30,200t(2位)→ 40,200t(1位) 1973年産の133.1%
・奈良県 23,600t(4位)→ 25,900t(2位) 1973年産の109.7%
・福岡県 16,800t(7位)→ 13,600t(3位) 1973年産の81.0%
・岐阜県 26,100t(3位)→ 11,600t(4位) 1973年産の44.4%
・愛知県 17,700t(6位)→ 10,300t(5位) 1973年産の58.2%
・新潟県 10,600t(10位)→ 9,330t(6位) 1973年産の88.0%
・山形県 34,000t(1位)→ 5,070t(10位) 1973年産の14.9%
和歌山県(133.1%)と奈良県(109.7%)は、1973年産より多く収穫しています。1973年産で1位だった山形県は14.9%で、2025年産は10位でした。
※2025年産の県別の値は、栽培面積の大きい上位の都道府県などに絞った「主産県」の調査の結果で、全国の値は主産県の結果から推計されています。順位は主産県どうしで比べたものです。1973年産の順位は、統計に値のある都道府県の中での順位です。
2025年産の上位6県と、1973年産の1位の山形県を、1973年産の収穫量と並べました(右端は1973年産を100としたときの2025年産の割合)。
・和歌山県 30,200t(2位)→ 40,200t(1位) 1973年産の133.1%
・奈良県 23,600t(4位)→ 25,900t(2位) 1973年産の109.7%
・福岡県 16,800t(7位)→ 13,600t(3位) 1973年産の81.0%
・岐阜県 26,100t(3位)→ 11,600t(4位) 1973年産の44.4%
・愛知県 17,700t(6位)→ 10,300t(5位) 1973年産の58.2%
・新潟県 10,600t(10位)→ 9,330t(6位) 1973年産の88.0%
・山形県 34,000t(1位)→ 5,070t(10位) 1973年産の14.9%
和歌山県(133.1%)と奈良県(109.7%)は、1973年産より多く収穫しています。1973年産で1位だった山形県は14.9%で、2025年産は10位でした。
※2025年産の県別の値は、栽培面積の大きい上位の都道府県などに絞った「主産県」の調査の結果で、全国の値は主産県の結果から推計されています。順位は主産県どうしで比べたものです。1973年産の順位は、統計に値のある都道府県の中での順位です。
よくある質問
店で買う渋がきは渋くないのですか
農研機構は、小売店で販売されている「平核無」「会津身不知」「愛宕」などの渋ガキ品種の果実は、炭酸ガスやエチルアルコールが処理されていて渋みがない、と説明しています。卸売市場の統計の「渋がき」も、脱渋したものを含む区分です。
干し柿は甘がきと渋がきのどちらで作りますか
農研機構の解説では、渋ガキも果皮を剥いてつるし、乾燥させると渋みが無くなって食べられる(干し柿)と説明されています。農林水産省の広報誌でも、渋がきの品種の「愛宕」が「干し柿にして食べる」と紹介されています。
まとめ 10月は渋がき、11月中旬からは甘がきが多い
柿の旬と収穫量を統計でおさらいします。
・甘がき・渋がきは品種で決まる。小売店の渋がきは炭酸ガスやアルコールで渋を抜いたもの
・2025年の主要卸売市場への入荷は10月中旬が最多。10月の入荷の89.1%が渋がき
・甘がきが渋がきを上回ったのは11月中旬から。12月は91.5%が甘がき
・家庭の購入量は10〜11月で12か月の合計の7割超。都市別では岐阜市が全国平均の約2.8倍
・2025年産の収穫量は179,600t(概数)で1973年産の51.7%。1位は和歌山県、1973年産の1位は山形県
2025年の市場への入荷では、10月は渋がき、11月中旬からは甘がきが多く出回りました。売り場では品種名の表示も見比べてみてください。
・甘がき・渋がきは品種で決まる。小売店の渋がきは炭酸ガスやアルコールで渋を抜いたもの
・2025年の主要卸売市場への入荷は10月中旬が最多。10月の入荷の89.1%が渋がき
・甘がきが渋がきを上回ったのは11月中旬から。12月は91.5%が甘がき
・家庭の購入量は10〜11月で12か月の合計の7割超。都市別では岐阜市が全国平均の約2.8倍
・2025年産の収穫量は179,600t(概数)で1973年産の51.7%。1位は和歌山県、1973年産の1位は山形県
2025年の市場への入荷では、10月は渋がき、11月中旬からは甘がきが多く出回りました。売り場では品種名の表示も見比べてみてください。
※使った統計:収穫量=農林水産省「作物統計調査(果樹生産出荷統計)」(2025年産は概数。確定値は2026年12月に掲載予定)/入荷量=同「青果物卸売市場調査(旬別結果)」主要卸売市場計/購入量=総務省「家計調査」(二人以上の世帯)。記事中の割合・倍率・順位は編集部の計算です(2026年9月29日時点)。










